2025年問題で介護業界の流れが変わる?

第一次ベビーブーム(1947年~1949年)に生まれた「団塊の世代」が、後期高齢者(75歳以上)に達することで社会保障費の大幅な増大が懸念される2025年問題。高齢化率は約30%に到達し、社会保障費の負担や、医療・介護など様々な分野に影響を及ぼすことになる。医療分野では、病院・医師の減少に伴い、病気になっても入院できなくなる事態が、介護分野では、特に首都圏において介護士・介護施設の不足によりサービスを享受できなくなる事態が予想されており、今、対策が急がれている。その他、年金受給年齢の引き上げや、老老介護・孤独死の増加を不安視する声も多い。さらに、その懸念は社会保障制度にとどまらず、労働人口、特に第一次・二次産業従事者の減少など、経済活動への深刻な影響にも及んでいる。

こうした懸念に対し、国は様々な政策を打ち出している。「地域包括ケアシステム」はその代表的なものだろう。住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを続けられるよう、住まい・介護・医療といった生活支援を一体的に提供する体制づくりが、全国各地で進められている。また、介護分野においても、2025年には約50万人不足すると言われる介護人材の確保に向けて、対策が進められている。具体的には、一定勤続年数以上の介護福祉士の賃金アップ、中高年齢者向けの入門介護研修、介護福祉士養成施設への支援など、処遇改善や離職防止への取り組みの他、外国人労働者の受け入れ環境整備といった人材確保にも積極的だ時代の流れに合わせて、介護業界にも大きな変革が訪れようとしている。働き方も生き方も、柔軟な対応が求められる現代。流れをとらえる感覚を養おう。